ユウ、ヒロ、ナツの戯言

男3人による戯言、雑記、日誌を散文的に

ヒロとナツについて

このふたりについて語っておこう。

 

このふたりと会話するとき

俺はリミッターを解除するようにしている。

遠慮、常識、ルール、コンプラ全て無視して

全力で球を投げるのさ。

俺がリミッターを完全解除できるのは

このふたりくらいだ。

 

ヒロについて語ろう。

高校入学当初から俺は探していた。

バンドを組める真の仲間を。真の漢を。

 

背が高く、素材レベルの高い男。

しかしどこか垢ぬけない感じというよりも

完全に垢ぬけてなかった。

こいつ微かに匂うなと…。

 

ふたりで西新宿に行った時、

そびえたつビル群をぽかーんと顔して

眺めているヒロ。

その横でぽかーんとしている俺。

こいつ確かに匂うな。

 

カラオケで皆が流行りの歌を入れている中、

ブルーハーツを選曲したヒロ。

こいつ間違いなく匂うな。

 

おれはヒロをバンドに誘ったのだ。

 

ヒロは油断のならない男だ。

かなり馬鹿を押し出してくるが計算高い

破天荒な雰囲気もあるが実は、堅実タイプ。

俺はこの男が自ら友人を遊びに誘っているのを

見たことがない。高校の友達をどう思っているのか?

いつも仮面を被っているような根っからの役者タイプ。

それでいて飾りっけのない感じもするから不思議だ。

ゴルフ場のグリーンの穴に糞をしたことがある。

あと彼はその貧しい育ちからか、無駄遣いをしない。

彼が余計なものを買っているのを見たことがない。

自分に必要なものは何か?を彼は正確に把握している。

 

きっと彼の両親が立派な人なのであろう。

 

ヒロをリスペクトしているのは、自分というものを

分かっていることだ。自分を理解するというのは

案外難しい。しかし、ヒロはいつだってヒロなんだ。

破天荒のようで計算高く、馬鹿のようで堅実タイプ。

そのうえで、勝負を仕掛けていく勇敢さも持っている。

 

俺が常にボケをかまそうとフルスピードで仕掛けても

全部打ち返してくるタイプでもある。

 

 

俺たちは友達であり、仲間だった。

むしろ仲間の方がウェイトは高かったかもしれない。

バンド、映像、演劇がなければ、これほど話すことも

なかったのかもしれない。

 

出会って、25年か…。

 

 

 

ナツについて語ろう。

ナツは俺が4年の時の1年だ。

サークルの後輩に当たる。

彼のデビュー映像作は、恐らく全ての学生表現作品で

最も笑えたものになるだろう。

 

ある程度の交流はあったものの

本格的に親交を深めたのは5~6年前だ。

ちょうど俺が離婚をするときで、

彼が、ようやく働きだした頃だ。

 

ナツというのは私の周りにはいないタイプだ。

ヒロに感じたような漢の匂いが彼にはしない。

良い意味で馬鹿揃いの高校の友達は、

なんだかんだ言っても頭良いタイプが揃う。

特徴的なのはみんな会話スピードが早いことだ。

コントや漫才のように会話ができるのが特徴。

そして、上手く人生を生きるタイプが多い。

 

ナツは違う。彼は不器用だ。

社会人としての素養をほとんど持っていない。

(いや、持っていなかったというのが正解か)

大きな分類でいえば、

うちのサークル代表とタイプは少し似ている。

恐らく彼らは、話し言葉で考えを伝えるよりも

作品を観たほうが理解できるというタイプ。

そういう意味では作家タイプだ。

思考や感情を安易に言語化しないタイプ。

もしくはしたくないというタイプなのかもしれない。

彼から発せられる言葉にはいつも「?」が付く。

質問を繰り返さないと彼の真意は理解できない。

 

多動性の傾向があり、

また、恐ろしく確動性が低い。

彼が同じ姿勢でじっとしている姿を

見たことがない。

そして、何かを忘れるという

ミステイクが非常に多い。

この多動性(落ち着きのなさ)や

リアルボケの多さや

口頭での言語化能力の低さは、

時に周囲から誤解を招くかもしれない。

しかし長く付き合えば彼の魅力に気が付くだろう。

 

彼は話すのは下手くそだが、

非常に伝わってくるブログを書く。

切り口や表現テーマが秀逸で、

唯一無二の個性を持つ。

 

彼がなぜ、脚本道から電話道に切り替えたのかは

未だに不明だ。何度か説明は聞いたのだが…。

 

電話道が駄目なら、マッサージ道。

これは明言だが、意味が分からない。

 

彼は、積み重なってないと言っていたが、

そんなことはない。

派遣社員からスタートし、契約社員

そして今は正社員を狙える位置まで来ている。

何も積み重なってないなんてことはないのだ。

 

言っていることはほとんど理解できないが、

彼の言葉には、真がある。

そして、彼は良いものを見抜く力がある。

それは、センスだろう。

服装、インテリア、彼のお勧めする作品には

ほとんど外れがない。

あと妙に女子力が高い。

 

彼にはどうしても、人生での大ボケを期待してしまう。

彼女に壺買わされただののエピソードを求めてしまう。

そんな大ボケに期待しつつも、彼が望む道に進めれば

いいなと思っているよ。

 

 

最後にふたりの共通しているのは、

仲間であり、友人であるということだ。

仲間というバックボーンが、この関係に深みを

もたらしてくれているということ。

 

コロナが明けてたら、一泊二日で温泉でも行こうよ。

中年のおっさん3人でさ。

 

【ユウ】