ユウ、ヒロ、ナツの戯言

男3人による戯言、雑記、日誌を散文的に

時代・27歳

2007年、選挙で自民党が歴史的敗北喫したがこの国は変わらず、ジョブズが発表したiPhoneが世界を変えた。エヴァンゲリオンの新劇場版が公開され、宇多田ヒカルの楽曲がラジオから流れている。

 

27歳、俺は6年同棲した彼女と別れ、その後浮気相手と付き合ったのだがすぐに別れ、東長崎のボロアパートへと引っ越した。これまで生活費を折半してたからこそ何とかやってこれたのが更に苦しくなった。しかし夜勤バイトを続けることにも限界を感じて、アパートの近くのオリジン弁当でパートを始め、土日の早朝は清掃のバイトを掛け持ちしていた。始発で清掃のバイトに行き、10時まで働く。そのまま移動して11時30分~夕方まで弁当屋。かなりきつかったがそれでも夜勤よりかはましだった気がする。そういえばiPhoneが発売されたと書いたが、当然私は金がなくしばらくガラケイだったことは言うまでもない。

 

東長崎のボロアパートからの再出発

 

相変わらず休みのない仕事と返済に追われる毎日だが憑き物が取れたようにこの頃の俺は粛々と生きるようになった。この頃の自分の変化を語るのは今でも難しい。遊びに飽きたとも言えるし、いい加減現実を受け止め出したとも言える。6年付き合った彼女との別れも小さくない影響を受けたし、いよいよ借金が洒落にならなくなり変わるざるを得なかったということが結局のところ一番大きかった気もする。平日は終電まで仕事、土日はバイト。それだけを繰り返した。今27歳を振り返ってみて思うのだが、この時期友人とも遠ざかっていた気がする。4年住んだボロアパートは苦しい思い出の象徴でもあり、人生の再生期の象徴でもあると思う。見栄を張るのを辞めて、無駄に遊ばず、酒に呑まれず、畳6畳の部屋で静かに暮らした日々を想う。人生で一番貧乏だったこの頃が一番穏やかな日々を送れていたのかな。

 

結局、馬鹿野郎で阿呆なまま生きていく

 

この翌年、後に元妻となる子との慎ましい交際が始まり、俺はいつの間にか出世コースを爆走し、金を稼ぎ借金は数年で完済。結婚し離婚し、会社を辞める…、再び激動の人生を歩むことになる。まさか東長崎時代と同じような貧乏時代を再び経験することになるとは思っていなかったが、実に俺らしい。実に馬鹿である。最高に阿呆である。そんな野郎とお付き合いしてくれているすべてのひとに感謝している。

 

20代に寝る暇もなく仕事に励んだこと。

20代に借金をして、電気やガスを止められたこと。

20代にそれでも遊び倒したこと。

 

これが今の私をギリギリのラインで支えてくれていると思う。

それだけは間違いないよ。