旧交をレンジでチンする
先週末、元会社の同僚とオンライン通じて旧交を温める機会があった。
メンバーは自分を含め4名。
皆、先輩だが気さくで、私に仕事のいろはを教えてくれた面々である。
3名はそれぞれ新しいフィールドで活躍している。
ひとりは保育関係。アナログな保育業界の構造改革、正しい研修制度の構築に奮闘している。
ひとりは川崎市にある水族館の立ち上げメンバーとして参加し、オペレーションセクションの責任者として生き物の素晴らしさを多くの人に伝えるべく奮闘している。
最後のひとり。
「俺は今バイアグラ売ってるよ」
?!
一同はほんの一瞬のとまどいと、次なる展開へのワクワクを隠しきれなかった。
元々、彼の会社はWi-Fiの貸し出し業を主たる業務としていたが、この時勢に合わせPCR検査や、あらゆる薬品の販売をすることでこの荒波を乗りきっている。
バイアグラを売る仕事
この懐の深い仕事に対して、思わず質問をしてしまった。
「ご自身で使われたりするんですか?」
「私には必要ない。絶倫だから」
?!
甘かった。
恥ずかしかった。
(社割りの有無を確認しようとしていた)
彼は昨年都内に戸建てを買い、2児の父として日々奥様に厳しい言葉を頂戴しながら奮闘している。
「75歳までローンあるけど、俺が死んだらチャラになるから」
そう言い放った絶倫男の画面越しの顔に、昭和親父の太い覚悟と男のひとつの完成形をみた気がした。
幸福度を測るものさしは各々が持っていて、けっして他の人が測ったり、優劣をつけるために使うものではないのである。
【ヒロ】