ユウ、ヒロ、ナツの戯言

男3人による戯言、雑記、日誌を散文的に

おじさんがan・anを読み込んでモッテモテを目指すブログ③

宮崎夏次系先生「あなたはブンちゃんの恋」を読む

 

今、おじさんが読んで共感を得るべき漫画はカイジ』やそのスピンオフ作品『1日外出録ハンチョウ』などであると相場が決まっている。

おじさんがおじさんとして楽しむ為の啓示がそこには沢山詰まっているのだから。

 

しかし!ダメ男やおじさんの悲哀に飲み込まれない為に、僕はan・an生活をはじめた。

 

その為、コミックスなる巻末コーナーで「あなたはブンちゃんの恋」が紹介されていたことは喜ばしいことだった。

 

内容については詳しくふれないけれど、帯には

「女×女×幽霊の不器用で一途な、出口のない恋。」

「自分が壊れるくらい、「好き」になったことがあるすべての人へ――。」

といったコピー。

 

おじさんが読んで何かを得られそうな内容ではなさそうだ。

 

でも、僕は読んだ――。

 

そして、正直けっこう感動した。

 

僕もかつてこの漫画のヒロイン?のブンちゃんのようにイタい若者だったし、「自分が壊れるくらい、「好き」になったことがあるすべての人」の中にいたような気がした。

 

つまり、懐かしくって泣いちゃったのである。

 

普段はan・anを読みながら仕事や骨トレをがんばったりしてるけど、ふとこの漫画を手に取って昔のことを思い出し、落涙する夜を過ごす、僕と同じような女性はいるのかな。と思った。そんな人がいるなら是非会って話してみたい。

その人こそ100%の運命の女性に違いない。

 

今出会うなら、チャンスはきっとペアーズにある!早急に登録しなくては!

 

でも、もし実際出会って話せる機会があったとしても、僕たちはきっとアラフォー同士として、大人風の振舞いをするだけなんだろうな。

 

僕は付け焼刃の知識で「芳醇なワイン」の話や「為替と株の値動き」について語り、彼女は「年一回の海外旅行の思い出」とか「diptyqueのアロマキャンドルの与える癒し効果」などを語る。

 

お互い『あなたはブンちゃんの恋』に惹かれるような歪んだ日の自分を隠したまま、会話は終わり、その一回しか合うことはないのだろう。

 

いまいちな会食を終えて数か月たったある日、僕が淡島通りを原付で走っていると、イケおじ証券マンの運転するハーレーの後部座席に乗っている彼女を目にすることになる。

 

100%運命だと思った彼女は僕の方をみることなんて少しもない。

 

その視線はイケおじ証券マンに注がれ、表情からは40%の諦めと60%の幸せが見て取れた。

 

…こんな感じになるに違いない!

 

そのようなとき、ブンちゃんだったらショックのあまり出家を志したりするだろうし、

カイジであれば「悔しい…。だが、これで良い」と呟き、さらに勝ちを狙いに行くだろう。

 僕は現状、その二人の狭間でにやにやしながら口ごもるおじさんに過ぎない。

一層努力し、an・an生活を極めなければならない。

 

ナツ