ユウ、ヒロ、ナツの戯言

男3人による戯言、雑記、日誌を散文的に

囲碁とささやかなる夢

囲碁を始めた。

 

理由はいろいろある。

昔から興味があったのだ。

 

さて、この囲碁というゲーム。

非常に難解である。

 

囲碁は19×19の盤上で互いに一手づつ打ちあうものだが、

最初の自分の一手は、361の打ち手のパターンがある。

次の相手の一手は、360の打ち手、その次の自分は359…。

つまり、361×359×357×…、何十万、何百万という

膨大な手筋の選択肢の中から「最善の一手」を追求する。

 

尋常じゃない難易度だ。

残りの私の人生を費やして、果たして囲碁のどこまで

を理解することができるだろうか?

 

囲碁をはじめるにあたって考えたことがある。

この趣味、実用性0だなと。

 

趣味の基本は楽しいかどうかだと思う。

でも人気の趣味というのは実用性も高い。

例えばスポーツであれば、

健康にいいし、精神衛生上もいいだろうし、

体形維持やアンチエイジングにもつながる。

会話のきっかけや話のネタにもなるだろう。

副産物が多い。

 

それに対して囲碁って…。

まず同年代に伝えても話が盛り上がることがまずない。

競技人口が圧倒的に少ないのだ。

例えば、現在のプロ棋士の名前をひとりでも

上げることが普通はできないのでないか?

 

趣味が、「ゴルフです」と言えば、

仲間からも異性からも好意的に見られることは

ありそうなものだ。

「私もやりたい」なんて話も弾むかもしれないし、

「一緒にやろうよ」なんて交流も深まるかもしれない。

 

でも囲碁って…。

「趣味は囲碁です」

「へー」

くらいのものではないか?

下手をすれば、

じじくさい、暗そうなどと

マイナスに受け止められかねない。

少なくとも会話は弾まないであろう。

 

そのうえ難易度が高く、

気軽に楽しめるものではない。

 

しかし、すでに私は囲碁の沼に嵌りつつある。

実用性がなく無駄である。

まったく困ったものだ。

役に立たない無駄のなものであるが、

面白いとはそういうことなのかもしれない。

 

囲碁をはじめて、夢ができた。

その中のひとつが、

プロ棋士河野臨九段と

いつか話をすることだ。

実は小中の同級生だ。

と言っても友達と呼べるほどの関係性はない。

今も連絡先も分からないのだ。

 

でもいつか、天才と呼ばれる彼と話をしてみたい。

またひとつ人生の先に楽しみが増えたのである。

 

【ユウ】