時代を捉えたあの「言葉」1994~1996
物語が好きだ。
数多くの台詞が今も心に残る。
コピーライターの端くれでもある。
「言葉」の力を信じている。
ヒロのブログを読み、感化された私は、
「言葉」をテーマにしたいと思った。
今日紹介したいのは、
「恋は遠い日の花火ではない」
これは1994~1996年のCMのコピーだ。
経済が停滞し、不安が漂うこの時代に、
女子高生がはじけてコギャルブームを生む。
中年のおじさんは、「おやじ狩り」に合い、
おじさん=終わっているという時代だったかもしれない。
バブルがはじけ、団塊世代の働くおじさんに元気がない時代だ。
そんな時代背景のもと、「おじさんの背中を押すウイスキー」を
テーマに書かれたがこのコピーだ。
この時代、中年のおじさんは、もう恋なんてできないと
思われている。誰よりも自分がそう思っている。
だからこそ、このコピーなんだよね。
コピーとは時代性を反映している。
今の時代ならば、中年が恋をするというのは
そんなに不思議なことでもないし、背中を押す
ことでもないのかもしれない。
今の私には、
「恋は遠い日の花火」なんだけどね。
さて、
今の時代に中年層の背中を押す
ようなコピーを書くとしたら?
俺ならどうするか?
ウィスキーのコピーで考えてみようじゃないか。
私の力量では荷が重いことだが、
ここで責任もなくつづってみるのも一興かな。
1994年ころの悲壮感は今の中年層にはない。
40代で結婚なんていうのも珍しくはない。
恋をしようと思えばいつでもできる時代だ。
今背中を押すとしたら40代の女性が浮かぶ。
そんな女性に向けたコピーだ。
「ハイボール一杯分だけ、わたしは働くママをやめる」
タグライン:あなたに一番守って欲しいのはあなた自身です。
中間管理職の女性。
朝から働いて、帰りに子どもを迎えに行って、
夕食を作り、後片付けをする。
子どもを寝かしつけて、つかの間の自分の時間。
そこで、最近覚えたハイボールを一杯だけ飲む。
男女平等、女性の社会進出が進んだ。
これは良いことだと思う。でも大変だよね。
かつての男性のように、管理職などの要職に就き、
家庭のことも両立させる。
家族を守りたい、仕事もちゃんとやりたい、
自分の時間なんてほとんどない。
そんな人に頑張れなんて言えないよ。
そんな人に無理をしないでなんて言えないよ。
守らなければならないことがたくさんある。
その責任を少しだけ忘れてもいい時間。
あなたに守ってもらいたいのはあなた自身です。
【ユウ】